デング熱
2015.06.29更新
デング熱という病名は昨年マスコミにかなり騒がれたのでみなさんも記憶に新しいと思います。
日本では4類感染症に分類され、診断した医師は保健所に届け出る義務があります。
ご承知のように蚊が媒介するウイルス疾患であり、 予防するワクチンはありませんし
ウイルスそのものを駆逐する特効薬もありません。
昨年は国内で162名の患者さんの報告がありました。
当院には熱発や咳で受診される患者さんが比較的多いので
海外渡航歴がある方がいらっしゃると、もしかしたら なんて考えてしまうことがあります。
確定診断をその場でつけることはできませんので、かなり疑わしい場合は
白血球や血小板が減少していないかを院内で測定して、
ほんとうにあやしい場合は基幹病院を受診していただくことにしています。
実は今年5月末から
デング熱診断キット(商品名プラテリアデングNS1 Agキット)
が保険適応となっていますので迅速診断することが可能なのです。
しかし
「デング熱を疑う患者のうち,当該患者の集中治療に対応できる機関として別に定める保険医療機関に入院を要する場合に限り算定できる」
という付帯条項がありまして、一般の医療機関ではこのキットは使用できません。
まあためしにしらべてみようか!なんていう感じでバンバン調べられたらコストがかかるので
やむを得ないとは思いますが・・・。
確定診断がついていれば当然としても、もしかしたらデング熱かもしれないという患者さんの診療を、時間外に基幹病院にお願いするのはやはり気が引けるものです。
どなたにとっても一番いいのはやはり蚊に刺されないことです。長袖長ズボンでは暑くていられない時期は、
少なくとも外に出るときは虫除けは塗ったほうがいいですね。
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