香川院長ブログ

インフルエンザワクチン

2016.09.22更新

innhuruenza

今年もインフルエンザ予防接種の季節が近づいてきました。
今年のワクチンは昨年と同じで4価ワクチンです。
効果 効能も同じと考えていいと思います。
当院では10月11日から接種開始の予定です。

料金は原価を踏まえて現在思案中です。少しでも安くして皆さんのご負担を
軽減できるようにがんばります。ご期待ください。

一つ気になるニュースがあります。当院では扱っていなかったのですが
主に妊婦さん向けに使用されていたチメロサールフリーのインフルエンザワクチンが
今年は供給されないようです。熊本の地震の影響のようですが・・・。
チメロサールとはエチル水銀系の保存剤で強力な殺菌効果があり
ワクチンには微量ですが添加されています。一時期自閉症との関連が疑われたこともあったのですが
現在では否定されています。

チメロサールが含まれているワクチンを注射するということは、ほんの微量ではあっても
エチル水銀が体内に入るということです。成人が一回インフルエンザワクチンの接種を受けると
概ね2.5㎍のチメロサールが体内に吸収されます。エチル水銀に換算するとこの約半分になります。
ただエチル水銀の安全基準というのはよくわかっていないので、水俣病で有名になった有害な
メチル水銀と同様と考えることにします。(実際はエチル水銀のほうが排泄がはるかに早いので
より安全と思われますが)
ところで、みなさんご承知されているかと思いますがマグロの刺身1切れ(約13g)には約6.5㎍の
メチル水銀が含まれています。

メチル水銀には安全基準が設定されています。アメリカのEPA(Environmental Protection Agency)
の基準が最も厳しく、0.7㎍/Kg 週 となっています。ということは体重50Kg の人だと
1週間に35㎍までが許容量ということですから、マグロの刺身だとせいぜい5~6切れくらいになります。
回転寿司にでもいけばあっという間に超えてしまうかもですよね。
ちなみに水銀含有量の少ない魚、サケ、さわら サンマ あじなどはマグロの1/10くらいの含有量
ですから比較的安心ではありますが、まったく含まれていないわけではありません。

つまり何が言いたいのかというと、チメロサールが含有されているからといって
ワクチン接種を避けるのであれば、マグロの一切れも食べられないということになります。
ですからチメロサールフリーのワクチンの供給が停止されたのも、そもそもそのようなものは
必要ないという理屈からなのかもしれません。

しかしせっかく授かった大事な赤ちゃんを宿している妊婦さんにしてみればほんの少しでも
リスクがアップするようなことは避けたいと思うのが当然ですよね。
(実際は胎児に影響はないとされてはいますが)
それで高額ではあってもチメロサールフリーのワクチンを接種してきたわけです。

今年だけならまだしも、もし来年も再来年も今後ずっとチメロサールフリーのワクチンを
供給しないのであれば、行政やメーカーはもう少し丁寧な説明をするべきではないでしょうか?

投稿者: 稲城癒しの森内野クリニック