香川院長ブログ

花粉症

2016.02.14更新

kahun

インフルエンザの流行はまだピークを越えてはいないかもしれませんが
花粉症の患者さんがそろそろ増えてきています。
今のところは、予防的に薬がほしいと希望される患者さんくらいですが、
今後はもっと増えるかもしれません。
ご存じな方も多いかもしれませんが、最近花粉症の治療に画期的な選択肢が加わりました。
それは”舌下免疫療法”といいます。
もともとアレルギー疾患の治療として減感作療法として知られていた治療法を
改良したものと言っていいかもしれません。

いわゆる減感作療法は病院に週2~3回くらいは通院しなくてはいけません。
そのたびに注射を受ける治療です。 簡単に説明すると、スギ花粉の成分を
うすいものから注射をして、徐々に濃くしていくという治療です。
慣らすという言い方が適切かどうかはわかりませんが、そうやって体を慣らしていくと
スギ花粉をあびてもアレルギー反応をおこさなくなってきます。(抗原特異IgG4抗体の関与が
考えられています)
効果はかなりあるようですが、長期間にわたって頻回に通院できる患者さんは
そうはいませんよね。(3年間くらいの通院加療が必要です)
また、1万分の1くらいの確率ですが、アナフィラキシーショックをおこす患者さんもいらっしゃるようです。

舌下免疫療法はこの注射を舌下投与に変更したものです。
シダトレンという薬なのですが、最初の2週間は徐々に濃くしていくプロセスが必要です。
しかしその後は毎日決まった量を舌下に2分間保持してから飲み込む それだけです。
最初は少し面倒かもしれませんが、慣れてしまえばさほど大変ではないと思います。

何と言っても最大の利点は注射のたびに通院するという面倒さから患者さんが
解放されるということです。舌下投与は自宅で可能ですので通院は月に1回で済みます。
また薬価も安いので費用的にも負担はかなり低減されています。
欠点は、やはり3年間程度の長期にわたる継続治療が必要なことと、すべての患者さんに
効果があるわけではないということです(80%弱くらいの患者さんには効果があるようですが・・・。)

ただ、3年間程度継続すれば、ほぼ根治に近い状態が得られることも期待できます。

毎年毎年辛い症状でお悩みの患者さんには、朗報ではないでしょうか?

ご興味のある方は是非ご相談ください。

投稿者: 稲城癒しの森内野クリニック