プラセンタ注射の料金

2016.02.29更新

plcenta

久しぶりにプラセンタ注射についてです。
当院も開院してからもう少しで11カ月になります。
プラセンタ注射で来院される方も徐々に増えていて、毎日4~5名くらいは
いらっしゃいます。
更年期障害の治療目的でメルスモンを保険適応で注射される方もいらっしゃいますし、
自費でラエンネックを注射される方もいらっしゃいます。
どちらかというとラエンネックのほうが人気が高いようです。 メルスモンとの違いは
製法にあります。
ラエンネック は分子分画法で製造されています。必要な成分のみを特殊なフィルターを使って
抽出する方法です。有効成分を壊さずにとりだすことができます。
一方メルスモンは加水分解法という製法で作られています。プラセンタの細胞膜を強酸で
分解し、エキスを抽出する方法です。強酸を使用するため有効成分もある程度は破壊されてしまいます。
こういうふうに比べると、ラエンネックのほうが有効ではないかと思われるのですが
臨床的には両方ともほとんど違いはありません。
美容系のクリニックさんではラエンネックを採用していることが多いので
なんとなくラエンネックがいいというイメージはあるのかもしれません。
実際ラエンネックは品薄になることが多いです。

プラセンタ注射の料金は当院では1アンプルで 1080円です。メルスモンもラエンネックも同じです。
開院当初はかなり安くしたつもりだったのですが、いろいろ調べてみると
最近ではそれほど安くはないかもしれないと思うようになりました。
新橋のト〇ス〇クリニックではなんと500円です。突出して安いです。かなり混雑しているらしいです。
他には三軒茶屋の三〇クリニックが700円です。これでもかなり安いですが、このクリニックでは
メルスモンのみのようです。

多摩地区では1000円を切るクリニックはほぼありません。
しかし2アンプル 3アンプル注射となると割引料金になっていることが多いです。
当院では2アンプルは2倍 3アンプルは3倍の料金をいただいています。
この部分は割引したほうがいいかなとも思っています。

自由診療は100パーセント自由競争です。価格競争がおきるのは当然ですよね。

すべての患者様に満足していただけるクリニック  が当院の目標です。
価格面でもご満足していただけるように、引き続き努力いたします。

投稿者: 稲城癒しの森内野クリニック

花粉症

2016.02.14更新

kahun

インフルエンザの流行はまだピークを越えてはいないかもしれませんが
花粉症の患者さんがそろそろ増えてきています。
今のところは、予防的に薬がほしいと希望される患者さんくらいですが、
今後はもっと増えるかもしれません。
ご存じな方も多いかもしれませんが、最近花粉症の治療に画期的な選択肢が加わりました。
それは”舌下免疫療法”といいます。
もともとアレルギー疾患の治療として減感作療法として知られていた治療法を
改良したものと言っていいかもしれません。

いわゆる減感作療法は病院に週2~3回くらいは通院しなくてはいけません。
そのたびに注射を受ける治療です。 簡単に説明すると、スギ花粉の成分を
うすいものから注射をして、徐々に濃くしていくという治療です。
慣らすという言い方が適切かどうかはわかりませんが、そうやって体を慣らしていくと
スギ花粉をあびてもアレルギー反応をおこさなくなってきます。(抗原特異IgG4抗体の関与が
考えられています)
効果はかなりあるようですが、長期間にわたって頻回に通院できる患者さんは
そうはいませんよね。(3年間くらいの通院加療が必要です)
また、1万分の1くらいの確率ですが、アナフィラキシーショックをおこす患者さんもいらっしゃるようです。

舌下免疫療法はこの注射を舌下投与に変更したものです。
シダトレンという薬なのですが、最初の2週間は徐々に濃くしていくプロセスが必要です。
しかしその後は毎日決まった量を舌下に2分間保持してから飲み込む それだけです。
最初は少し面倒かもしれませんが、慣れてしまえばさほど大変ではないと思います。

何と言っても最大の利点は注射のたびに通院するという面倒さから患者さんが
解放されるということです。舌下投与は自宅で可能ですので通院は月に1回で済みます。
また薬価も安いので費用的にも負担はかなり低減されています。
欠点は、やはり3年間程度の長期にわたる継続治療が必要なことと、すべての患者さんに
効果があるわけではないということです(80%弱くらいの患者さんには効果があるようですが・・・。)

ただ、3年間程度継続すれば、ほぼ根治に近い状態が得られることも期待できます。

毎年毎年辛い症状でお悩みの患者さんには、朗報ではないでしょうか?

ご興味のある方は是非ご相談ください。

投稿者: 稲城癒しの森内野クリニック

インフルエンザの治療

2016.02.04更新

innhuruennza

インフルエンザの患者さんがかなり増えています。
今回は治療についてです。

みなさんもご存じかと思いますが、インフルエンザは発症して48時間以内であれば
治療薬の適応となります。
いわゆるノイラミニダーゼ 阻害薬というもので、現在4種類が処方可能です。
ノイラミニダーゼ阻害薬は、ウイルスそのものを破壊する薬ではありません。
ウイルスの増殖を抑制するくすりです。
インフルエンザウイルスの増殖は感染後2~3日でピークに達して、その後は自然経過でも
減少していきます。
ですからすでに減少期にはいっている患者さん(つまり発症後48時間以上経過した患者さん)
にノイラミニダーゼ阻害薬を投与してもほとんど効果がないのです。
発熱で来院された患者さんに、いつから熱がありますか? 昨日の何時ころから熱がありますか?
としつこくきくのは発症してからの時間経過が、検査や治療の方針に大きく影響するからなのです。

治療薬は
内服薬として有名なタミフル  吸入薬としては リレンザ イナビル  
そして点滴薬としてラピアクタがあります。
当院では点滴がお嫌いな患者さんでなければラピアクタの点滴をおすすめしています。
理由はいくつかあります。
①効果発現がはやいことが見込まれる。
 第54回臨床ウイルス学会で川崎医科大学小児科のグループが発表したデータでは
タミフルに比べてラピアクタ投与群でのほうが解熱までの時間が有意に短かったと報告されています。
また、Chemotherapy. 2013;59(5):373-8. にはラピアクタを点滴した患者さんが、タミフルの内服やリレンザ
を吸入した患者さんよりも有意に早く解熱したことが報告されています。
②確実に投与可能である
 点滴治療は吸入薬に比べて確実です。かなり静脈が細い患者さんの場合は点滴が困難な場合もあるので
おすすめはしませんが、そうでなければ点滴治療は吸入薬に比べて確実です。吸入薬の場合はどうしても
きちんと吸入できたのかどうか不安が残ります。
③1回15分間の点滴で治療が完了する
 タミフルは1日2錠5日間内服しなければいけません。リレンザも1日2回5日間吸入しなければいけません。
内服や吸入を忘れることもあるでしょうし、患者さんが途中でやめてしまう可能性もあります。
しかし、ラピアクタの点滴であれば15分間の点滴で治療が完了します。そして重症例であれば
追加点滴をおこなうことも可能です。

以上の理由で当院では感染初期のインフルエンザの患者さんの治療は
ラピアクタの点滴を第一選択としています。

しかしラピアクタにも欠点がないわけではありません。
①他剤とくらべて解熱までの時間がはやいという報告がある一方で、ほとんどかわらないという
 データもある
②副作用がないわけではない(嘔吐 下痢 白血球減少 etc)
③腎機能が低下している患者さんには使用不可
④多剤と比較してやや高価(3割負担で500円程度の負担増になります)

また混雑時には患者さんがご希望されてもマンパワー的に余裕がなく点滴治療は不可ということもあります。

いずれにしても、インフルエンザの治療に際して選択肢がいくつかあるということはとてもいいことです。

投稿者: 稲城癒しの森内野クリニック

インフルエンザの診断

2016.01.24更新

tumura

インフルエンザの患者さんが徐々に増えてきました。
癒しの森クリニックでも先週は毎日1人~2人くらいの患者さんがインフルエンザ迅速キット
で陽性でした。
いつも思うのですが、インフルエンザかそうでないかを診断するのは医師の判断です。
インフルエンザの迅速診断キットが診断するわけではありません。
なぜそう思うかと言うと、キットの診断は万能ではないからです。

公表されているデータでは、インフルエンザ迅速診断キットの感度は概ね72%程度
特異度は92%程度です。(文献によってはもっと低いです!)
感度は意外と低いのです。
感度が低いということは、本当はインフルエンザなのに、インフルエンザではないとされてしまう
患者さんが3割程度はいらっしゃるということです。
逆に特異度はかなり高いので、キットの診断で陽性であった患者さんが
実はインフルエンザではなかったということはほとんどないということになります。

ですからどう考えてもインフルエンザだと思われる患者さんが、迅速診断キットの結果では陰性
となることが結構あります。
しかしそういう患者さんに、タミフルやイナビルを処方するのはなかなか難しいですよね。
ましてや、当院では第一選択としているラピアクタの点滴はまずできません。
(薬代もばかになりませんしね)

そこでかなりインフルエンザが疑われる患者さんで、迅速診断キットが陰性であった
方には漢方薬である麻黄湯を処方することにしています。
最近の研究では小児科クリニックにおける臨床試験でインフルエンザA B を発症した小児に対して
タミフルと麻黄湯を投与したグループに分け、インフルエンザウイルスが消失するまでの
時間を比較した結果、ほぼ同等であることが示されました。

また、日本臨床内科医会インフルエンザ研究班が行った2006年~2007年の臨床データでも、タミフル
リレンザ、麻黄湯では投与開始から解熱までの時間に差はみられませんでした。
麻黄湯は、タミフルやイナビルのようにインフルエンザウイルスに直接作用するわけではなく、
気道の上皮細胞の炎症を抑え体の防御機能を高めることで
ウイルスに抵抗すると考えられいます。つまりより生理的な作用機序ですよね。
漢方らしいともいえます。
小児から高齢者まで幅広く処方可能であるのですが、漢方用語での”実証”の患者さんに
有効ということになっています。
実証の患者さんとは比較的体力があり、病気に対する抵抗力がある方です。
虚証はその逆になります。しかしインフルエンザに罹患したときは
麻黄湯は虚証の患者さんにも有効とされています。

いずれにしても、インフルエンザの治療にいろいろな選択肢があるのは
とてもいいことですよね。

もっともインフルエンザにかからないのが一番であるのは
言うまでもありません。
予防注射はもう終了しましたが、うがい 手洗い マスク 睡眠で
予防に努めていただきたいと思います。

投稿者: 稲城癒しの森内野クリニック

暖冬のインフルエンザ

2016.01.19更新

inhuruenza

今年は暖冬のためか、インフルエンザの流行が遅れているようです。
当院でも今日までのところインフルエンザチェックにて陽性であった患者さんは4名です。
昨年はぼくはまだ病院勤務でしたが、年末の救急外来がインフルエンザの患者さんで
あふれていたのと比べると隔世の感があります。
このままほとんど流行せずに終われば本当にいいことですよね。
あるいは流行しても小規模に終われば経済的な損失も少なくてすみます。

でも油断は禁物です。
暖冬だと本当にインフルエンザは流行しないのでしょうか?
そもそも 気温とインフルエンザの流行は逆相関するのでしょうか?
今月15日に発表された国立感染症研究所のデータでは今年の1診療所あたりの インフルエンザの
患者さんの数を都道府県別にみると、
沖縄県が8.19人 秋田県が7.85人 新潟県が5.73人  北海道が4.84人 千葉県が2.49人でした。
一番多いのが現在までのところ、沖縄県なのですよ!
秋田 新潟 北海道はかなり寒いですけどね。
そもそも沖縄県では夏にもインフルエンザが流行しています。

つまり寒いからインフルエンザが流行る、暖かいからインフルエンザが流行らないとは
言えないと思います。

今年と同じように暖冬であった2006~2007年のインフルエンザの流行を
調べてみました。
上のグラフがそうです。
2007年5月に公表されたインフルエンザ患者さんの推移のグラフです。
2006年~2007年シーズンから過去5年分の流行の推移も同時に記載されていますので
一目瞭然と思いますが、赤線が暖冬であった2006~2007年の流行の時期を示しています。
2月の初旬あたりから流行が顕著になり、ピークを迎えたのはなんと3月も半ばころですよね。
しかも5月のゴールデンウイークのころでも患者さんはそれなりに
いらしたようです。

今年もこれと同じ経過をたどるかどうかはわかりません。

ですが、暖冬だからと言って油断は禁物ということです。
同じことのくりかえしになるかもしれませんが、まめな手洗い うがいは必須ですし
人混みはなるべく避ける、避けられないのであればせめてマスクをする
などの自衛策が大事です。

睡眠時間も多めにとってくれぐれもご自愛ください。

 

投稿者: 稲城癒しの森内野クリニック

新年

2016.01.05更新

kadomatu

あけましておめでとうございます。
おかげさまで稲城癒しの森内科クリニックは開院2年目を迎えました。
(正確にはまだ9か月目ですが)

今年は開業してはじめてのお正月でした。
ぼくは平成元年卒業ですので、医師になって28年目となりますが
当直のない正月は初めてでした。
身体が楽でいいなあと思う反面、なんか気合がたりないなあ
なんて思ってしまいました。緊張感もないですよね・・・。
また、当直がないと正月になにをしていいのかどうかわからないという
意味不明な状態に陥ってしまいました。

読書でもすればいいのでしょうが、結局家でお酒を飲んだり
テレビをみたり、ゲームをしたりして過ごしました。
人並みの正月だったのでしょうか?

お正月といえば日本酒でしょ!とばかりに年末に買ってきた”王禄”を
飲んですごしましたが、やはり飲み過ぎると頭痛がするというジレンマに襲われました。
日本酒は大好きなんですけどね・・・。

12月30日から5日間お休みをいただいて1月4日から診療を開始しました。
おかげさまで大勢の患者さんに来院していただいています。

当院の目標は ”すべての患者様に満足していただけるクリニック” です!
患者さん各々のご希望は当然ちがいますから、お一人ずつに丁寧な対応を
今後とも心掛けていきたいと考えています。
また、”低コストでハイクオリティの診療” も当院の院是とするところです。
大病院ではないのですから、いくらいい診療をしたとしても患者さんに高額な自己負担を
強いるようなことは極力避けたいものです。
可能な限り検査や処方は最小限にとどめる方針も、今後とも継続していく所存です。

2年目を迎えた稲城癒しの森内科クリニックを引き続きよろしくお願いいたします。

投稿者: 稲城癒しの森内野クリニック